今の日本人の多くは、大麻というと、薬物で、吸引しか使用方法がないと思っているはずです。
しかし、実は、日本では5,000年前から、大麻を使っていたという歴史があるのです。
日本は大麻を使っていた歴史がある
現代の日本では、大麻は大麻取締法を始め、一部の人しか使えない物となりました。
そのため、日常で大麻製品にお目にかかれないので、大麻の存在が日本では薄いです。
しかし、日本の歴史の書物の所々に、大麻が使われていた事が記されています。
縄文時代から大麻は使われていた
福井県に鳥浜貝塚(5,000年前)があります。鳥浜貝塚は、縄文時代に人が集落を形成して生活していた遺跡が残っている場所です。
この鳥浜貝塚から大麻草の種子や繊維が発見されたため、大麻は縄文時代から使われていたと分かっています。
灯りの燃料として大麻を使われていた
飛鳥時代、奈良時代、平安時代には、鯨油、菜種油と並んで、大麻の油が灯りの燃料として使わていた事が、『大宝令』や『延期式』に記されています。
現代では、蛍光灯とか、ロウソクがありますが、それすらない時代にとっては大事な灯りの燃料だったはずです。
お盆に大麻を使う事がある
お盆には、先祖が帰って来ると言われています。
先祖が帰って来る際に、明かりを頼りにすると考えられているため、13日の夕方に、仏壇の前に盆提灯を飾ります。
また庭先や門口で、迎え火として麻幹(おがら)を焚きます。麻幹は、大麻の皮をはいだ茎でできています。なぜ大麻の皮なのかと言うと、乾燥した麻幹は火持ちが良いからです。
仏壇に捧げるキュウリの馬の足に麻幹が使われる事があるのですが、先祖を早く迎えたいという意味が込められています。
友白髪で大麻が使われている
友白髪とは、結婚式の前に行われる婚約式の際に、結納品の中の一つです。
友白髪は、夫婦ともに白髪になるまで長生きしようという意味があります。
この友白髪の材料として、大麻の繊維が使われています。
大麻の繊維が選ばれる理由としては、邪気払いと幸せを呼ぶと考えられているからです。
横綱の化粧まわしに大麻が使われている
関取でも土俵入りに化粧まわしが使わていますが、横綱のみ、化粧まわしの材料が違います。
横綱の化粧まわしのみ、大麻の繊維が巻かれています。
使わている理由としては、自然界の中でも大麻の繊維は強靭なので、相撲で一番強い横綱の化粧まわしに使っているようです。
破魔矢の弓に大麻が使われる事がある
破魔矢は、初詣の縁起物や男児の正月の祝い品、新築の時の上棟式に使われます。
使われる理由としては、邪気払いの意味があるからです。
破魔矢を放つための弓の弦(つる)に、大麻が使われる事があります。
最近では、合成繊維のキュプラが弓の弦に使われていますが、破魔矢が弓から放たれる瞬間に「キャン」という甲高い音は麻糸(=大麻)が最高と聞きます。
また、この最高の音(弦音=つるね)が魔を払うという意味があるので、高段者では麻糸にする人が多いそうです。