「大麻(たいま)」という言葉に対して、どこか恐怖や偏見を感じてしまう人も少なくないかもしれません。
しかし、それは必ずしも自然な感覚とは言えません。
私たちがこの言葉に対して抱く印象の多くは、警察や厚生労働省などによる啓発活動や報道によるものかもしれません。
実は「大麻」には複数の読み方と意味があり、それぞれまったく異なる文脈で使われています。本記事では、その読み方と意味についてわかりやすく解説します。
大麻の読み方は3つあります
「大麻」という言葉には、主に以下の3つの読み方があります。
- たいま
- おおあさ
- おおぬさ
それぞれ、全く異なる意味を持つため、読み方によって適切に理解する必要があります。
大麻(たいま)と読む場合の意味

「たいま」と読むときの「大麻」は、アサ科の一年草「麻」を指します。
いわゆる「ヘンプ」「カンナビス」と呼ばれる植物で、茎は四角く、成長すると1~3メートルにもなります。
繊維を取るための「産業用ヘンプ」や、医療・嗜好用途での使用など、多様な側面があります。
大麻(おおあさ)と読む場合の意味
「おおあさ」は、神道における神具としての意味があります。
具体的には、神様に祈る際に用いられる「幣(ぬさ)」という道具の尊敬語とされており、祓(はらえ)の儀式などに使われます。
大麻(おおぬさ)と読む場合の意味
「おおぬさ」は、「幣(ぬさ)」の別称であり、祓具(はらえぐ)として神道の神事に用いられます。
白木の棒に麻や紙垂(しで)を括り付けた形をしており、神前での清めに使われる重要な道具です。
「たいま」は当て字であるという説
古くは「雷が鳴ったら麻畑に逃げろ」という言い伝えがありました。
これは麻が重金属を土壌から吸収する性質があり、雷の電気を避けやすい環境を作るためとされています。
このような背景から、雷(神の怒りや魔)を退ける「退魔(たいま)」という言葉が、「大麻(たいま)」という表記に転じたという説もあります。
「大麻(おおあさ)」という地名について
北海道江別市には「大麻(おおあさ)」という地名があります。
かつては麻の栽培が盛んだったことに由来すると考えられますが、現在では麻の農家も企業もほとんど見られません。
まとめ
「大麻」という言葉には、歴史・文化・宗教・産業など、さまざまな側面があります。
読み方や文脈を正しく理解することで、不必要な誤解や偏見を減らすことができます。

