毛髪検査で薬物使用がなぜ分かるのか?

薬物の知識

古くから、薬物を使用していたかどうかの検査として、毛髪検査があります。

なぜに毛髪検査で薬物使用が分かるのか?

また、細かい話し、具体的に毛髪はどの位採取されるのか?染色した毛髪は毛髪検査に影響を与えるのか?

警察官や麻薬取締官に向けて解説されているテキスト(教科書)から、知りたいと思うので、一般のあなたにも教えたいと思います。

毛髪検査で薬物使用が分かる理由

結論言いますと、未だにメカニズムが分かっていません。

毛髪が、ヒ素、水銀、カドミウムといった重金属の排出器官としての役割を担っているのは知られています。

覚せい剤等の薬物も毛髪に移行するというのも分かっています。

ただ、なぜ覚せい剤等の薬物が、毛髪に移行するのが分かっていません。

毛細血管を通して、毛髪に移行しているのではないかと考えれているだけです。

毛髪検査のメリットとデメリット

毛髪検査のメリットは、継続的に薬物を使用していた者に対して、過去数か月~1年前にどのような薬物を使用していたかが分かるというメリットがあります。

ヘロイン、コカイン、フェンシクリジン(PCP)、THCといった薬物が、毛髪検査によって分かります。

ただ、逆に、デメリットとしては、1~数回程度の薬物使用者に対しては、毛髪検査では分からないという点です。

毛髪検査ではどの部位から採取されるのか?

毛髪検査では、前頭部、左右側頭部、頭頂部、後頭部の5か所から均等に採取されます。

年を取っても後頭部の毛髪は一定しているので、毛髪の採取として最適と考えられていますが、部位によっては、毛髪中の薬物濃度に差異が出るので、5か所から均等に採取されます。

毛髪以外の毛でも薬物使用は分かるのか?

具体的に言ったら、陰毛や口ひげでも薬物使用は分かります。

ただ、採取の容易さや比較的大量(10mg=50本)に採取が可能という理由で、毛髪が選ばれます。

毛髪はどのように抜くのか?

本当は、毛根部分を含めた毛髪の採取が望ましいので、抜去法が良いです。

ですが、毛髪の伸びる速度は個人差もある事から、表皮に近い所でカットする方法でも十分な結果が得られます。

染色や脱色した毛髪は結果に影響を与えるのか?

脱色処理や染色処理した毛髪の場合は、毛髪中の薬物濃度が低くなるので、毛髪検査に影響は与えています。

ただ、カラーマニキュアやカラースプレー、シャンプーは、毛髪検査に影響を与えないようです。

まとめ

薬物がなぜに毛髪に移行するのかという人体のメカニズムは、現代でも分かっていません。

また、毛髪検査で分かるのは、継続的に使用していた者に対して、どのような薬物を使用していたかが分かる物です。

ですので、数回程度の薬物使用者は、毛髪検査では陰性になるという事です。

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